矢車菊の思い出

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サムネイル画像 左:木製人形 ブロッサムキンダー アネモネ 中央:木製人形 ブロッサムキンダー コーンフラワー 


花々が咲いてくると、景色が一気に色づきます。

暖かな陽射しに、一面きらめく花。この時期ならではですね。


ドイツの花を調べてみたら、矢車菊と出会いました。ドイツの国花との記載がありますが、

実際は、ドイツ帝国時代(1871-1918)の国花であったということです。

この時期に咲き始める花の一つです。

私の母が、まさにこの矢車菊を好きでした。

プレゼントしてみたかったのですが、当時のお花屋さんでは、ついに見かけることができませんでした。

母に贈ったのは、私が描いた矢車菊。実は見たこともなくて、ホームセンターで見かけた種の入った袋の写真を思い出して描きました。

私が出せなかったあの色は、コーンフラワーブルーと言って、最高級のサファイアの色を表しているそうです。また矢車菊はマリー・アントワネットがこよなく愛した花ということで、欧州の有名な食器ブランドではこの花をモチーフとした食器を数多く出しています。

とても高貴なお花を私の母は愛していたようです。

トウモロコシ畑に咲く花という意味で、「コーンフラワー」という英語名なので素朴なイメージを持ちますが、凛とした美しさを感じます。

先にドイツ帝国時代の国花と書きましたが、国花になったのはこのような出来事があったのが理由です。

その昔、プロイセン(現ドイツ)がナポレオンに攻略された時、王妃は、王子たちを連れて麦畑の中に隠れました。

王妃は、怖がる王子たちのために、麦畑の中で咲いていた「矢車菊」で花冠を作って王子たちの頭に載せて慰めました。

その時の一人は後にドイツ帝国の初代皇帝となり、「矢車菊の花冠」の思い出から、矢車菊を皇帝の花と決めたのだそうです。

私の中では、矢車菊には「母親」のイメージが強くあります。

直接的な思い出も、ドイツの皇帝が持ち続けた思いも、トウモロコシ畑や麦畑に咲くその姿にもまた、母親のような芯の強さを感じます。



画用紙の中に咲いた、ただの青や紫のクレヨンを、母は喜んでくれていたのでしょうか。

矢車菊の思い出

2020年12月30日 (2020年12月30日最終更新)

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